【ホンマでっかTV】忍師とは何者?読み方や空き巣との違い・ランクが上といわれる理由を調査

『ホンマでっか!?TV』では、寝ている間に家へ侵入する「忍師」について紹介される予定です。

忍師という言葉を初めて聞いて、「何と読むの?」「忍者のような泥棒?」「空き巣とは何が違うの?」と気になった方も多いのではないでしょうか。

忍師は「のびし」と読み、住人が寝ている夜間に建物へ侵入する「忍込み」を得意とする泥棒を指す俗称です。忍師が犯人を指す呼び方なのに対し、忍込みは警察の犯罪統計でも使われている犯行手口を指します。

番組予告では、忍師は「泥棒の中でもランクが上」と紹介されていますが、警察が泥棒を公式にランク分けしているわけではありません。住人がいる家へ気づかれないよう侵入することから、経験を積んだ常習犯を表す意味で使われていると考えられます。

この記事では、忍師の読み方や意味、忍込み・空き巣・居空きとの違い、ランクが上といわれる理由を解説します。夏の夜に注意したい理由や、忍込みを防ぐために今夜からできる対策についてもまとめました。

「うちの窓は大丈夫?」と感じた方は、今できる防犯対策を確認しておきましょう。⇩

スポンサーリンク
目次

忍師とは何者?読み方は「のびし」

忍師は「のびし」と読み、住人が寝ている夜間に建物へ忍び込み、金品を盗むことを得意とする泥棒を指す俗称です。

警察の犯罪統計に「忍師」という分類があるわけではありませんが、過去の事件報道では、深夜の住宅を狙う常習的な泥棒を捜査員が「忍師」や「ノビ師」と呼んだ例があります。

そのため、テレビ番組のために作られた新しい言葉ではなく、一部の捜査関係者や犯罪報道などで以前から使われてきた呼び方と考えられます。

忍師・ノビ師・のび師は表記が違うだけ

忍師には、次のような表記があります。

  • 忍師
  • ノビ師
  • のび師

いずれも基本的な読み方は「のびし」です。

今回の『ホンマでっか!?TV』の番組予告では「忍師」と表記されていますが、新聞やテレビの事件報道では「ノビ師」とカタカナで書かれることもあります。

また、古い警察関係の資料では「ノビ」や「ノビコミ」という表現も確認されています。少なくとも1924年の警察実務資料に用例があるため、近年になって突然生まれたネット用語ではありません。

忍師は警察の正式な犯罪名ではない

「忍師」という言葉は、法律上の罪名や警察庁の犯罪統計で使われる正式な手口名ではありません。

警察の統計では、夜間に住人が寝ている住宅へ侵入して金品を盗む手口を「忍込み」と分類しています。

そのため、忍師について説明するときは「忍込みを行う泥棒」や「忍込みを得意とする犯人への俗称」と表現するのが分かりやすいでしょう。

忍師と忍込みは「犯人」と「手口」の違い

忍師と忍込みは似た言葉ですが、厳密には指しているものが異なります。

  • 忍師:忍込みを得意とする犯人への俗称
  • 忍込み:住人が寝ている夜間に建物へ侵入して盗む手口

つまり、「忍師の正式名称が忍込み」という関係ではありません。

忍師は人を指す呼び方であり、忍込みはその人が行う犯行手口を指します。

忍者との直接的な関係は確認されていない

「忍」という漢字から、忍者のように音を立てずに動く泥棒を想像する方もいるかもしれません。

しかし、忍師と歴史上の忍者に直接的な関係があることを示す資料は確認されていません。

「ノビ」や「ノビコミ」は、建物へ「忍び込む」という言葉から生まれたと考えられています。

忍者の技術を受け継いだ泥棒という意味ではなく、人に気づかれないよう建物へ侵入する手口を表した呼び方と捉えるのがよいでしょう。

ホンマでっかTVで紹介される忍師とは

2026年8月5日放送の『ホンマでっか!?TV』では、「夏休み緊急SP 元警察官が警告!真夏の最新犯罪」と題し、夏に注意したい犯罪や防犯対策が紹介される予定です。

番組予告では、忍師について「寝ている間に侵入する」「夏の夜は注意が必要」「空き巣とは手口が違う」「泥棒の中でもランクが上」と説明されています。

ただし、放送前の時点では、番組内で紹介される具体的な手口や事例、防犯方法までは明らかになっていません。

忍師は寝ている間に家へ侵入する泥棒

忍師が行うとされる「忍込み」は、住人が寝ている夜間の住宅へ侵入し、金品を盗む手口です。

住人が外出している時間を狙う空き巣とは異なり、忍込みでは家の中に人がいる状態で犯行が行われます。

家に人がいるから安心とは限らず、玄関や勝手口だけでなく、浴室やトイレ、2階の窓まで施錠することが重要です。

夏の夜は忍師に注意と紹介予定

番組予告では、「夏の夜は忍師に注意」と紹介されています。

夏は暑さや換気のため、窓を開けたまま寝たり、網戸だけの状態で就寝したりする家庭もあるでしょう。

しかし、網戸には一般的な窓のような防犯性能はなく、窓が開いていれば無施錠の状態と変わりません。

警察の防犯資料でも、夏場は窓を開けたまま寝ないことや、浴室・トイレ・2階を含むすべての窓を施錠するよう注意が呼びかけられています。

なお、全国の忍込み被害が夏に最も多いと示す最新の公的統計は確認されていません。

「夏になると必ず忍込みが増える」という意味ではなく、窓を開けて寝ることで侵入しやすい状態を作りやすいため、夏の夜は特に注意が必要と考えられます。

「泥棒の中でもランクが上」は警察の公式分類ではない

番組予告では、忍師について「泥棒の中でもランクが上」と紹介されています。

ただし、警察が泥棒を技術や経験によって公式にランク分けしているわけではありません。

忍師は、住人が寝ている家へ気づかれないように侵入することから、音を立てずに行動する経験や、住宅の状況を見極める能力が必要だと考えられています。

そのため「ランクが上」という言葉は、忍込みを繰り返す熟練犯や常習犯を表す、番組や専門家による評価表現と捉えるのがよいでしょう。

実際にどのような意味で「ランクが上」と説明されるのかは、放送後に番組内の発言を確認して追記する必要があります。

忍師・忍込み・空き巣・居空きの違い

忍師について調べていると、「忍込み」「空き巣」「居空き」といった似た言葉が出てきます。

いずれも建物へ侵入して金品を盗む行為に関係しますが、住人が家にいるか、起きているかによって分類が異なります。

言葉狙われる状況住人の状態意味
忍師主に夜間在宅・就寝中忍込みを得意とする犯人への俗称
忍込み夜間在宅・就寝中寝ている間に住宅へ侵入して盗む手口
空き巣留守中不在住人が外出している間に侵入して盗む手口
居空き家事や食事中など在宅・起きている住人が別のことに気を取られている隙に侵入する手口

最も大きな違いは、忍込みでは住人が家の中で寝ていることを前提に侵入する点です。

空き巣は留守宅を狙いますが、忍込みと居空きは住人がいる家へ入るため、犯人と鉢合わせする危険があります。

忍込みは住人が寝ている夜間を狙う手口

忍込みは、夜間に住人が寝ている住宅へ侵入し、金品を盗む手口です。

警察庁の犯罪統計でも、空き巣や居空きとは別の手口として分類されています。

住人が寝静まった時間帯を狙うため、窓を開ける音や室内を歩く音を立てないように行動すると考えられます。

ただし、忍込みを行う人物がすべて高度な技術を持っているとは限りません。実際には、鍵が掛かっていない窓やドアから侵入するケースが多く確認されています。

空き巣は住人が留守の時間を狙う手口

空き巣は、住人が仕事や買い物、旅行などで家を留守にしている間に侵入する手口です。

「空き巣は昼間に入る泥棒」というイメージがありますが、住人が不在であれば、夜間の侵入でも空き巣に分類される場合があります。

郵便物がたまっている家や、SNSで旅行中だと分かる投稿などから、留守を見抜かれる可能性もあるため注意が必要です。

居空きは住人が起きている隙を狙う手口

居空きは、住人が家の中で起きているにもかかわらず、気づかれないように侵入する手口です。

たとえば、住人が料理や掃除をしている間、別の部屋でテレビを見ている間、庭仕事をしている間などが狙われることがあります。

「家にいるから鍵を掛けなくても大丈夫」と考えず、在宅中でも使用していない部屋の窓や勝手口を施錠することが大切です。

侵入強盗や居直り強盗とは目的と行動が異なる

忍込みは、基本的には人に気づかれず金品を盗む侵入窃盗です。

一方、侵入強盗は建物へ入り、住人を脅したり暴行したりして金品を奪う犯罪を指します。

忍込みの途中で住人に発見され、逃走や逮捕を免れるために暴行や脅迫へ及んだ場合は、居直り強盗や事後強盗に発展する可能性があります。

忍師だから住人へ危害を加えないとは限りません。物音や人影に気づいても、自分で確認したり取り押さえたりせず、安全な場所へ避難して110番することが重要です。

忍師が泥棒の中でもランクが上といわれる理由

『ホンマでっか!?TV』の予告では、忍師について「泥棒の中でもランクが上」と紹介されています。

ただし、警察が泥棒を技術や経験によって公式にランク分けしているわけではありません。

忍師は、住人が寝ている家へ気づかれないように侵入する「忍込み」を得意とする犯人への俗称です。家の中に人がいる状況で犯行を行うことから、空き巣よりも大胆で、経験を積んだ常習犯を指す意味で「ランクが上」と表現されていると考えられます。

住人がいると分かったうえで侵入する

空き巣は住人が留守の時間を狙いますが、忍込みは住人が寝ている夜間の住宅へ侵入する手口です。

つまり、犯人は家の中に人がいる可能性を認識しながら、窓や勝手口などから侵入することになります。

住人が途中で目を覚ましたり、トイレや水分補給のために部屋を出たりすれば、犯人と鉢合わせする可能性があります。

人がいる住宅へ侵入する大胆さや危険性が、「ランクが上」といわれる理由の一つと考えられます。

気づかれないように行動する経験があるとされる

忍込みでは、窓やドアを開ける音、室内を歩く音、引き出しを探る音などで住人を起こさないように行動する必要があります。

過去の報道では、忍込みを繰り返す熟練犯や常習犯を「ノビ師」と呼んだ例も確認されています。

ただし、忍師と呼ばれる人物が全員、特殊な侵入技術を持っているとは限りません。

2024年の警察庁の統計では、忍込みの侵入方法の63.0%が、鍵の掛かっていない窓やドアから入る「無締り」でした。

特殊な道具や高度な技術だけで侵入するのではなく、住人の施錠忘れを狙っているケースも多いことが分かります。

生活リズムや住宅の状況を確認する可能性がある

侵入犯罪では、犯行前に住宅周辺を確認したり、インターホンを押して在宅状況を探ったりするケースがあります。

点検業者や訪問販売を装い、家族構成や生活時間、資産状況などを聞き出そうとする不審な訪問にも注意が必要です。

ただし、すべての忍師が事前に下見をすることや、決まったマーキングを残すことが確認されているわけではありません。

知らない訪問者には玄関を開けず、インターホン越しに対応し、家族構成や在宅時間などを安易に伝えないようにしましょう。

鉢合わせすると居直り強盗へ発展するおそれがある

忍込みは、人に気づかれず金品を盗むことを目的とした侵入窃盗です。

しかし、犯行中に住人から発見されると、逃走や逮捕を免れるために暴行や脅迫へ及ぶ可能性があります。

千葉県警も、忍込みが住人との鉢合わせによって「居直り強盗」に発展するおそれがあると注意を呼びかけています。

忍師は住人へ危害を加えない泥棒だと決めつけることはできません。

夜中に不審な物音や人影に気づいた場合は、自分で室内を確認したり、犯人を取り押さえたりせず、安全な場所へ避難して110番してください。

このように、忍師が「ランクが上」といわれる背景には、就寝中の住人がいる住宅へ侵入する大胆さや、気づかれずに行動する経験、鉢合わせした際の危険性があると考えられます。ただし、警察に公式な泥棒のランクがあるわけではない点には注意が必要です。

忍込みは全国で何件発生している?

警察庁の犯罪統計によると、2025年に全国で認知された忍込みは4,784件でした。

1日あたりに換算すると、全国のどこかで平均約13件の忍込みが認知された計算になります。

忍込みは住人が寝ている間に侵入する手口のため、金品を盗まれるだけでなく、犯人と鉢合わせする危険もあります。

近年の件数は2010年代と比べて減少しているものの、2025年は前年より増加しており、「昔より少なくなったから安心」とはいえません。

2025年の忍込み認知件数は4,784件

2025年に全国で認知された主な侵入窃盗の件数は、次のとおりです。

手口2025年の認知件数
空き巣11,684件
忍込み4,784件
居空き684件

空き巣の認知件数が最も多いものの、住人が家にいる状態で侵入される忍込みも、全国で年間4,000件を超えています。

2025年の忍込みの検挙件数は2,316件、検挙率は48.4%でした。

ただし、警察統計の検挙件数には、前年以前に認知された事件が含まれる場合があります。そのため、2025年に発生した忍込みの48.4%が、その年のうちに解決したという意味ではありません。

2024年から16.1%増加している

2024年の忍込み認知件数は4,122件で、2025年は4,784件でした。

忍込み認知件数前年からの増減
2024年4,122件
2025年4,784件662件増・約16.1%増

忍込みの認知件数は、2015年の12,251件から長期的には減少しています。

しかし、2025年は前年から662件増えているため、現在も注意が必要な侵入手口であることに変わりはありません。

忍込み被害の約86.9%は一戸建て住宅

住宅形態別の詳しい内訳が確認できる2024年の警察庁資料では、表に掲載された忍込み4,076件のうち、3,543件が一戸建て住宅でした。

住宅の種類忍込み件数割合
一戸建て住宅3,543件約86.9%
3階建て以下の共同住宅373件約9.2%
4階建て以上の共同住宅160件約3.9%

一戸建ては窓や勝手口など侵入口となり得る場所が多く、植木や塀によって周囲から見えにくい場所ができることもあります。

ただし、共同住宅でも忍込みは発生しています。マンションやアパートだから安全と考えず、玄関やベランダ側の窓を施錠することが大切です。

なお、2024年の忍込み全体は4,122件ですが、住宅形態や侵入方法の詳細表に掲載されている母数は4,076件です。統計表によって母数が異なるため、同じ数字として扱わないよう注意が必要です。

侵入方法は無締りとガラス破りが多い

2024年の詳細統計では、忍込みの侵入方法で最も多かったのは、鍵が掛かっていない窓やドアから入る「無締り」でした。

侵入方法件数割合
無締り2,568件約63.0%
ガラス破り1,037件約25.4%
施錠開け144件約3.5%
ドア錠破り43件約1.1%
戸外し38件約0.9%
その他・不明246件約6.0%

無締りとガラス破りを合わせると、全体の約88.4%を占めます。

忍師という言葉から、特殊な道具や高度な技術を使って侵入するイメージを持つかもしれません。

しかし、実際には鍵の掛かっていない窓やドアが最も多く狙われています。

玄関だけでなく、勝手口、浴室、トイレ、ベランダ、2階の窓まで施錠を確認することが、忍込み対策の基本です。

夏の夜に忍師へ注意する理由

『ホンマでっか!?TV』の予告では、「夏の夜は忍師に注意」と紹介されています。

ただし、全国の忍込みが夏に最も多いと示す最新の公的統計は確認されていません。

夏に注意したい主な理由は、暑さや換気のために窓を開けたまま寝たり、網戸だけの状態で過ごしたりして、侵入しやすい環境を作ってしまう可能性があるためです。

特に、玄関の鍵は確認していても、浴室やトイレ、勝手口、2階の窓などは施錠を忘れやすいため注意が必要です。

窓を開けたまま寝ると侵入口を作ってしまう

暑い夜には、風を通すために窓を開けたまま寝ることもあるでしょう。

しかし、窓が人の通れる幅まで開いていれば、外から簡単に侵入できる状態になってしまいます。

2024年の警察庁の詳細統計では、忍込みの侵入方法の約63.0%が、鍵の掛かっていない窓やドアから入る「無締り」でした。

忍込みでは特殊な侵入技術だけが使われるわけではなく、住人の施錠忘れが大きな侵入口になっています。

在宅中や就寝中であっても、使用していない窓や扉には鍵を掛けることが大切です。

網戸だけでは施錠したことにならない

窓を閉めず、網戸だけにして寝ている家庭もあるかもしれません。

しかし、一般的な網戸は虫の侵入を防ぐためのものであり、人の侵入を防ぐ防犯設備ではありません。

網戸には内側から動かせる簡易的な留め具が付いている場合もありますが、窓の鍵と同じ防犯性能があるわけではありません。

網戸の状態で就寝することは、実質的に窓を開けたままにしている状態と考え、寝る前には窓を閉めて施錠しましょう。

浴室・トイレ・勝手口の小窓も確認する

玄関やリビングの窓は施錠していても、浴室やトイレ、洗面所、勝手口の小窓は開けたままになりやすい場所です。

「小さな窓だから人は入れない」「面格子があるから大丈夫」と思うかもしれません。

しかし、窓の大きさや格子の取り付け方によっては、侵入口として利用される可能性があります。

面格子が付いている窓でも、外から取り外せないかを確認し、就寝前には窓自体も施錠しておくと安心です。

表玄関だけでなく、普段あまり使わない勝手口や裏口の鍵も忘れずに確認しましょう。

2階の窓でも足場があれば侵入される可能性がある

「2階の窓までは届かない」と考え、開けたまま寝てしまうケースもあります。

しかし、住宅の周囲に脚立や物置、ポリバケツ、棚などが置かれていると、2階へ上がるための足場として使われる可能性があります。

カーポートや低い屋根、塀、ベランダの位置によっては、想像よりも簡単に2階の窓へ近づける住宅もあります。

2階だから安全と決めつけず、寝る前には窓を閉めて施錠し、住宅の外に足場となる物を置いたままにしないことが大切です。

夏に忍込みが最も多いという全国統計は確認されていない

夏の防犯対策を考えるうえで注意したいのが、「夏になると忍込みが必ず増える」と断定しないことです。

今回確認した範囲では、全国の忍込み件数を季節別に比較し、夏が年間で最も多いと示す最新の公的統計は見つかりませんでした。

そのため、「夏は忍込みが最も多いから危険」と説明するよりも、「夏は窓を開けたまま寝るなど、侵入されやすい状態を作りやすいので注意が必要」と捉えるのが正確です。

暑さ対策と防犯を両立するため、就寝時はエアコンや扇風機を活用し、窓と扉を閉めて施錠できる環境を整えておきましょう。

忍師に狙われやすい家の特徴

忍師が必ず狙う住宅の条件が決まっているわけではありません。

ただし、警察の統計や防犯資料からは、鍵が掛かっていない窓や周囲から見えにくい出入口など、侵入しやすい状態には共通点があることが分かります。

特に忍込みでは、住人が寝ている時間帯に犯行が行われるため、就寝前に家の内外を確認しておくことが大切です。

窓や勝手口が施錠されていない

最も注意したいのは、窓や扉の施錠忘れです。

2024年の警察庁の詳細統計では、忍込みの侵入方法の約63.0%が、鍵の掛かっていない窓や扉から入る「無締り」でした。

玄関は施錠していても、次のような場所は確認を忘れやすい傾向があります。

  • 浴室やトイレの小窓
  • 洗面所やキッチンの窓
  • 勝手口や裏口
  • ベランダ側の窓
  • 2階の窓
  • 面格子が付いた窓

「家に人がいるから大丈夫」「小さな窓だから入れない」と考えず、就寝前にはすべての窓と扉を確認しましょう。

植木や高い塀で外から見えにくい

高い塀や生い茂った植木は、道路や隣家から住宅内を見えにくくし、プライバシーを守る役割があります。

一方で、侵入者が窓や勝手口の近くにいても、周囲から発見されにくい死角を作る可能性があります。

特に、住宅の側面や裏側、勝手口の周辺に人が隠れられる場所がある場合は注意が必要です。

外から住宅内が丸見えにならないよう配慮しつつ、玄関や窓の周辺は人の動きが見えるように庭木を整えるとよいでしょう。

センサーライトを設置し、夜間に人が近づいたときに周囲が明るくなるようにする方法もあります。

脚立や物置など2階への足場がある

住宅の周囲に置かれた物が、2階の窓やベランダへ上がるための足場として利用される可能性があります。

足場になり得る物には、次のようなものがあります。

  • 脚立やはしご
  • 屋外用の棚
  • ポリバケツやごみ箱
  • 物置
  • カーポートや低い屋根
  • 塀や大型の室外機

脚立や工具は屋外に放置せず、鍵の掛かる物置などへ収納しましょう。

固定されていて移動できない物については、そこから2階の窓へ手が届かないかを確認し、届く場合は窓の施錠や補助錠を見直すことが大切です。

窓に補助錠や防犯設備がない

2024年の忍込みでは、無締りに次いで多かった侵入方法がガラス破りで、全体の約25.4%を占めていました。

一般的な窓は、ガラスの一部を割って手を入れ、クレセント錠を開けられる可能性があります。

窓の防犯対策としては、次のような方法があります。

  • クレセント錠とは別の補助錠を取り付ける
  • 窓用防犯アラームを取り付ける
  • 防犯フィルムを窓全体に施工する
  • 防犯ガラスへ交換する
  • シャッターや雨戸を閉めて施錠する

ただし、防犯グッズを一つ取り付けただけで、すべての侵入を防げるわけではありません。

施錠を基本にしながら、窓を破るまでの時間を延ばす対策や、光・音で異常に気づきやすくする対策を重ねることが重要です。

勝手口や住宅の裏側が見えにくい

表玄関は道路から見えやすくても、勝手口や住宅の裏側は塀や建物に囲まれ、周囲から見えにくい場合があります。

普段あまり使わない勝手口では、施錠忘れや鍵の劣化にも気づきにくくなります。

また、一戸建て住宅では窓だけでなく、勝手口などの「その他の出入口」から侵入されたケースも確認されています。

玄関だけを強化するのではなく、裏口や勝手口にも次の点を確認しましょう。

  • 就寝前に施錠されているか
  • ドアや錠に破損や緩みがないか
  • 外から手を入れて鍵を開けられないか
  • 周囲が植木や荷物で隠れていないか
  • 夜間に照明が届いているか

不審な訪問や電話で在宅状況を探られることもある

侵入犯罪の前には、点検業者や訪問販売を装って住宅を訪れ、家族構成や在宅時間などを確認しようとするケースもあります。

「近くで工事をしている」「屋根が壊れている」「無料で点検する」などと言われても、すぐに玄関を開ける必要はありません。

まずはインターホン越しに用件を確認し、会社名や担当者名を聞いたうえで、相手が伝えた番号ではなく自分で調べた連絡先から事業者へ確認しましょう。

次のような情報は、知らない相手へ安易に伝えないことが大切です。

  • 家族の人数や年齢
  • 一人になる時間帯
  • 仕事や外出の予定
  • 現金や貴重品の保管状況
  • 旅行や帰省の予定

住宅の周囲を何度も歩く人物や、用件が不明な訪問者など、現在進行中で不審な状況がある場合は110番してください。

過去の不審な訪問や電話、玄関周辺の見覚えのない印など、緊急性のない相談は警察相談専用電話「#9110」で相談できます。

忍師に狙われる家を外見だけで判断することはできませんが、無施錠、死角、足場、守りの弱い窓など、侵入しやすい状態を減らすことはできます。

忍師の下見やマーキングは本当にある?

侵入窃盗について調べると、「犯人は事前に下見をする」「表札やポストに暗号を残す」といった情報を見かけることがあります。

警察も、不審な訪問や電話、玄関周辺の見覚えのない印などに注意するよう呼びかけています。

ただし、忍師が必ず下見やマーキングを行うわけではなく、住宅に付いた印がすべて泥棒の暗号とは限りません。

根拠の不明な「マーキング記号一覧」をそのまま信じるのではなく、不審な状況を記録し、必要に応じて警察へ相談することが大切です。

点検業者などを装って訪問するケース

侵入犯罪の下見では、点検業者や訪問販売を装って住宅を訪れ、建物の構造や家族構成を確認しようとするケースがあります。

たとえば、次のような言葉で玄関を開けさせようとする訪問には注意が必要です。

  • 近所で工事をしている
  • 屋根や外壁が壊れているのが見えた
  • 水道やガス設備を無料で点検する
  • 自治体や管理会社から依頼されている
  • 電気料金や通信設備の確認が必要

正規の点検である可能性もありますが、その場ですぐに玄関を開けたり、家の中へ入れたりする必要はありません。

まずはインターホン越しに会社名、担当者名、訪問目的を確認しましょう。

確認のために連絡する場合は、訪問者から教えられた電話番号ではなく、公式サイトや契約書などから自分で調べた連絡先を利用することが重要です。

インターホンで在宅状況を確認する可能性

インターホンを押し、応答があるかどうかを確かめる行為が、留守や在宅時間を探るために使われる可能性もあります。

応答すると、次のような情報を聞き出そうとする場合があります。

  • 家族は何人で暮らしているか
  • 高齢者だけで住んでいるか
  • 仕事で家を空ける時間帯
  • 家族が帰宅する時間
  • 旅行や帰省の予定
  • 現金や貴重品を自宅に置いているか

知らない訪問者には、家族構成や生活時間を具体的に伝えないようにしましょう。

訪問者が帰った後も住宅の周囲を見回している、何度もインターホンを押しに来るなど、不自然な行動が続く場合は注意が必要です。

ただし、インターホンを押したという理由だけで、相手を犯罪者と断定することはできません。相手に直接問い詰めたり追いかけたりせず、安全な場所から警察へ相談してください。

表札やポストの印がすべて泥棒の暗号とは限らない

インターネット上では、表札やポストなどに書かれた文字や数字について、次のような意味があるとする情報が紹介されています。

  • 住人の性別を示すアルファベット
  • 留守になる時間を表す数字
  • 訪問への反応を示す記号
  • 家族構成を表すシールの色

しかし、「この記号には必ずこの意味がある」という全国共通の暗号表を、警察が公式に認定しているわけではありません。

印の中には、訪問業者の管理用シール、工事や検針に関する目印、子どもの落書きなど、犯罪とは関係のないものもあります。

一方で、警察は玄関周辺に付けられた見覚えのない印について、下見の可能性も考えて注意するよう呼びかけています。

印を見つけた場合は、すぐに消してしまう前に、場所や形、発見日時が分かるよう写真を撮っておくと相談しやすくなります。

忍師が必ずマーキングするわけではない

忍師やノビ師と呼ばれる熟練した侵入犯が、必ず住宅へ印を残すとは確認されていません。

目立つ印を残せば住人や警察に警戒されるため、単独で行動する常習犯はマーキングを利用しないという専門家の見解もあります。

一方、複数の人物が下見役と実行役に分かれる犯罪では、住宅の情報を何らかの方法で共有する可能性があります。

ただし、共有方法はスマートフォンやメッセージアプリなども考えられるため、玄関に印がないから下見されていないとは限りません。

マーキングだけを探すのではなく、不審な訪問や電話、住宅周辺を繰り返し歩く人物など、普段と異なる状況全体を見ることが大切です。

不審な訪問や印は警察へ相談する

不審な訪問者が現在も家の前にいる、窓やドアを触っている、敷地内へ入ろうとしているなど、犯罪につながる可能性がある状況では110番してください。

相手へ声をかけたり、撮影するために近づいたりすると危険なため、玄関や窓を施錠し、安全な場所から通報しましょう。

すでに訪問者が立ち去っている場合や、見覚えのない印、不審な電話について相談したい場合は、警察相談専用電話「#9110」を利用できます。

相談するときに、次の情報があると状況を伝えやすくなります。

  • 訪問や電話があった日時
  • 相手が名乗った会社名や氏名
  • 質問された内容
  • 相手の服装や特徴
  • 車の色やナンバー
  • 印が付いていた場所と写真
  • 防犯カメラやインターホンの録画

マーキングの意味を自分で決めつけるのではなく、記録を残したうえで警察に判断を仰ぐことが、安全な対応につながります。

忍込みを防ぐために今夜できる対策

忍込み対策というと、防犯カメラや防犯ガラスなどの設備を思い浮かべるかもしれません。

しかし、2024年に認知された忍込みの約63.0%は、鍵が掛かっていない窓や扉から侵入する「無締り」でした。

まずは高額な防犯設備を導入する前に、就寝前の戸締まりや住宅周辺の整理など、今夜から無料でできる対策を徹底することが重要です。

在宅中や就寝中でもすべての窓と扉を施錠する

忍込みは、住人が家の中で寝ている時間を狙う手口です。

「家に人がいるから大丈夫」と考えず、在宅中や就寝中でも、使用していない窓と扉には鍵を掛けましょう。

特に、次の場所は施錠を忘れやすいため注意が必要です。

  • 浴室やトイレの小窓
  • 洗面所やキッチンの窓
  • 勝手口や裏口
  • ベランダ側の窓
  • 2階や3階の窓
  • 面格子が付いている窓

玄関の鍵だけを確認して安心せず、毎晩同じ順番で家の中を回るなど、戸締まりを習慣にすると確認漏れを防ぎやすくなります。

浴室・トイレ・2階の窓も確認する

浴室やトイレの窓は、湿気を逃がすために開けたままにしやすい場所です。

小さな窓や面格子が付いた窓でも、侵入できないとは限りません。

また、2階の窓も、塀や物置、カーポート、室外機などを足場にして近づかれる可能性があります。

就寝前には階数や窓の大きさにかかわらず、すべての開口部を確認しましょう。

換気が必要な場合は、家族が起きている時間に行い、寝る前には窓を閉めて施錠するのが基本です。

シャッターや雨戸がある場合は閉めて施錠する

窓にシャッターや雨戸が付いている場合は、就寝前に閉めて施錠することで、窓ガラスへ直接近づきにくくできます。

ただし、シャッターや雨戸を閉めただけで鍵を掛けていなければ、外から開けられる可能性があります。

窓の鍵、シャッターや雨戸の鍵の両方を確認しましょう。

長期間使っていない場合は、鍵が正常に動くか、外れや破損がないかも定期的に確認してください。

脚立や工具を屋外に置いたままにしない

庭や建物の周囲に置かれた脚立、はしご、工具などが、侵入のために使われる可能性があります。

次のような物は、鍵の掛かる物置や屋内へ収納しましょう。

  • 脚立やはしご
  • バールやハンマーなどの工具
  • 屋外用の棚や踏み台
  • 動かせるごみ箱やポリバケツ
  • ガーデニング用品

物置自体が2階への足場になる位置にある場合は、移動できないか確認することも大切です。

簡単に動かせない物については、近くの窓に補助錠を付けるなど、別の対策を組み合わせましょう。

庭木を整えて住宅周辺の死角を減らす

生い茂った庭木や高い塀は、住宅のプライバシーを守る一方、侵入者が周囲から見つかりにくい場所を作る可能性があります。

特に、窓や勝手口の周辺に人が隠れられるスペースがないか確認しましょう。

庭木をすべて低くする必要はありませんが、道路や隣家から出入口付近の人の動きが分かる程度に枝葉を整えておくと、防犯上の死角を減らせます。

夜間に暗くなる場所には、人の動きを感知して点灯するセンサーライトを設置する方法もあります。

家族で「物音を確認しに行かない」と決めておく

夜中に不審な物音がすると、家の中を確認したくなるかもしれません。

しかし、侵入者がいる場合、確認しに行くことで鉢合わせする危険があります。

あらかじめ家族で、次のような行動を決めておきましょう。

  • 不審な音がしても一人で確認しに行かない
  • 子どもや高齢者を安全な部屋へ集める
  • 施錠できる部屋へ避難する
  • 携帯電話を寝室の手が届く場所に置く
  • 侵入の可能性がある場合は110番する

家の間取りに合わせて、安全に避難できる部屋や屋外への経路を確認しておくと、緊急時に動きやすくなります。

旅行や外出予定をリアルタイムでSNSに投稿しない

旅行や帰省中であることをSNSへリアルタイムで投稿すると、自宅が留守であると第三者に知られる可能性があります。

留守中の住宅を狙う手口は主に空き巣ですが、侵入犯罪全般への対策として、不在情報の公開には注意が必要です。

旅行の写真や動画は、帰宅してから投稿するのが安全です。

長期間家を空ける場合は、新聞や郵便物を一時的に止め、信頼できる近隣住民へ声をかけておく方法もあります。

多額の現金や資産情報を自宅に置かない・話さない

自宅に多額の現金があることや、貴重品の保管場所を他人へ話すことは、侵入犯罪の被害を大きくする可能性があります。

知らない訪問者や電話の相手から、資産や現金、家族構成について質問されても答えないようにしましょう。

自宅には必要以上の現金を置かず、通帳や印鑑、貴重品を一か所へまとめないことも大切です。

忍込み対策では、まず無施錠の窓や扉をなくすことが最優先です。そのうえで、補助錠や防犯アラーム、センサーライトなどを組み合わせ、侵入に時間がかかり、周囲に気づかれやすい住宅を目指しましょう。

家の中に忍師がいると気づいたらどうする?

夜中に不審な物音や人影に気づいた場合は、自分で家の中を確認しに行かないことが重要です。

忍込みは人に見つからず金品を盗む手口ですが、住人と鉢合わせした際に、逃走や逮捕を免れるため暴行や脅迫へ及ぶ可能性があります。

犯人を追い払おうとしたり、スマートフォンで撮影するために近づいたりせず、家族と自分の安全確保を最優先にしてください。

物音を確かめに行かない

夜中に窓が開く音や足音、物を動かす音が聞こえると、状況を確認したくなるかもしれません。

しかし、音のする方向へ近づくと、侵入者と鉢合わせする危険があります。

不審な物音に気づいた場合は、できる範囲で次のように行動しましょう。

  • 音のする場所へ近づかない
  • 部屋の照明をむやみに点けない
  • 施錠できる部屋へ避難する
  • 子どもや高齢者を安全な場所へ移動させる
  • 携帯電話を持って110番する

侵入者がいるか確信できない場合でも、窓やドアが開く音、人が歩くような音など、普段とは明らかに違う状況であれば警察へ連絡してください。

犯人へ声をかけたり追いかけたりしない

侵入者を見つけても、声をかけたり、取り押さえたりしないでください。

忍師は人に気づかれないことを前提に侵入していると考えられますが、見つかった後にどのような行動を取るかは分かりません。

刃物や工具を持っている可能性もあるため、犯人の顔や服装を確認しようとして近づくことも危険です。

犯人が逃げた場合も、自分で後を追わず、安全な場所から110番しましょう。

無理のない範囲で確認できた場合は、次の情報を警察へ伝えます。

  • 犯人の人数
  • 服装や体格
  • 逃げた方向
  • 車やバイクの色・種類
  • ナンバー
  • 気づいた時刻

正確に覚えていない内容は推測せず、見えた範囲だけを伝えてください。

安全な場所へ避難して110番する

外へ安全に逃げられる場合は、家族と一緒に近隣の住宅や人目のある場所へ避難してから110番します。

逃げる途中で犯人と接触する可能性がある場合は、無理に屋外へ出ず、鍵の掛かる部屋へ避難しましょう。

110番では、主に次のような内容を聞かれます。

  • 何が起きているか
  • 現在いる場所と住所
  • 犯人がまだ家の中にいる可能性
  • 家の中にいる家族の人数
  • けが人がいるか
  • 犯人の特徴や逃走方向

小さな声でしか話せない場合は、最初に住所と侵入者がいる可能性を伝え、警察からの質問に答えてください。

携帯電話は就寝時も手が届く場所へ置き、緊急時にすぐ通報できる状態にしておくと安心です。

帰宅時に異変を感じたら家へ入らない

外出先から帰宅した際に、玄関や窓が壊れている、鍵が開いている、室内が荒らされているなどの異変を見つけた場合は、家の中へ入らないでください。

犯人がまだ室内にいる可能性があるため、玄関先で様子を確認したり、家族やペットを探すために入ったりすると危険です。

住宅から距離を取り、近隣の安全な場所や車内などから110番しましょう。

警察が到着するまでは、次の場所や物に触れないようにします。

  • 壊された窓やドア
  • 玄関や窓の取っ手
  • 室内に残された物
  • 足跡や工具のような物
  • 荒らされた引き出しや収納

片付けたり元の位置へ戻したりすると、指紋や足跡などの確認に影響する可能性があります。

緊急でない防犯相談は#9110

侵入者が家の中にいる、窓やドアを壊している、不審者が敷地内へ入ろうとしているなど、現在進行中の危険がある場合は110番です。

一方、すでに訪問者が立ち去っており、緊急性がない次のような相談には、警察相談専用電話「#9110」を利用できます。

  • 不審な点検業者が訪ねてきた
  • 資産や家族構成を聞く電話があった
  • 玄関やポストに見覚えのない印がある
  • 同じ人物が住宅周辺を何度も歩いている
  • 自宅の防犯方法について相談したい

110番するべきか迷う場合でも、犯人が近くにいる可能性や身の危険を感じる状況では、緊急通報を優先してください。

忍師に気づいたときに最も大切なのは、金品や証拠を守ることではなく、家族と自分の命を守ることです。犯人と対決せず、安全な場所へ避難して警察へ連絡しましょう。

職業泥棒が約3,000人いるという説は本当?

忍師について調べると、「日本には職業泥棒が約3,000人いる」という情報を見かけることがあります。

この数字は、元神奈川県警の小川泰平さんが過去の取材記事で紹介したものですが、警察庁が公表した公式統計ではありません。

また、「忍師が約3,000人いる」という意味でもないため、数字だけを見て誤解しないよう注意が必要です。

2015年の取材記事で紹介された数字

「職業泥棒が約3,000人いる」という説は、2015年4月に東洋経済オンラインで公開されたTBS番組取材班の記事でも紹介されています。

記事では、元神奈川県警捜査三課の小川泰平さんの説明として、盗みで得た収入だけで生活する人物を「職業泥棒」と呼び、日本に約3,000人いるといわれている旨が掲載されました。

ただし、小川さんが自ら3,000人という人数を算出したのか、捜査関係者の間で以前から語られていた数字を紹介したのかまでは確認できません。

2013年から2014年ごろにも似た数字が紹介された形跡があるため、少なくとも2015年当時に突然発表された最新統計ではなく、以前から伝えられていた推定人数と考えられます。

警察庁の公式統計ではない

警察庁は、忍込みや空き巣などの認知件数、検挙件数、検挙人員を公表しています。

一方で、「職業泥棒」という区分で、日本国内に何人いるかを集計した公式統計は確認されていません。

職業泥棒という言葉自体も、法律や警察統計に定められた正式な犯罪分類ではありません。

そのため、約3,000人という数字について、次のような情報は明らかになっていません。

  • どの年を基準にした人数なのか
  • どのような人物を数えたのか
  • 服役中の人物を含むのか
  • 検挙されていない人物をどう推定したのか
  • 誰が最初に算出したのか

警察庁の公式発表として「日本に職業泥棒が3,000人いる」と断定することはできません。

現在の人数や算出方法は確認されていない

約3,000人という説が紹介されたのは、少なくとも2013年から2015年ごろです。

その後、侵入窃盗の認知件数や犯罪の手口、犯罪グループの構成などは変化しています。

そのため、当時の推定人数を2026年現在の職業泥棒の実数として扱うことはできません。

また、約3,000人という数字を裏付ける計算方法や調査資料も公表されていないため、現在も同じ程度の人数が活動しているかは分かりません。

記事内で紹介する場合は、「2015年の取材記事で、約3,000人いるといわれていると紹介された」と、年代と情報の位置づけを明記するのが適切です。

忍師が約3,000人いるという意味ではない

職業泥棒と忍師は、同じ意味の言葉ではありません。

  • 職業泥棒:盗みで得た収入を生活の中心にしている人物を表す俗称
  • 忍師:住人が寝ている間に侵入する「忍込み」を得意とする犯人への俗称

職業泥棒には、空き巣や忍込み、事務所荒し、出店荒しなど、異なる手口を繰り返す人物が含まれる可能性があります。

一方、忍師は主に忍込みを得意とする人物を指すため、職業泥棒の一部と重なる可能性はありますが、人数や割合は確認されていません。

したがって、「日本には忍師が3,000人いる」「3,000人の忍師が現在も活動している」と説明するのは誤りです。

約3,000人という数字は、警察庁の公式統計ではなく、過去に紹介された職業泥棒全体についての推定・伝聞として捉えましょう。

実際に忍師・ノビ師と呼ばれた事件

「忍師」という言葉は警察の正式な犯罪分類ではありませんが、過去の事件報道では、忍込みを繰り返したとみられる容疑者を捜査員や報道機関が「忍師」「ノビ師」と呼んだ例があります。

ここでは、実際に忍師やノビ師という呼び方が使われた主な事件を紹介します。

いずれも逮捕時点の報道に基づくため、記事では「容疑者」「疑い」「報道によると」といった表現を使い、犯行が確定したものとして扱わないことが大切です。

深夜の住宅を狙った「練馬の忍師」

2023年3月、東京都練馬区の一戸建て住宅へ侵入して現金などを盗んだ疑いで、当時76歳と報じられた男性が逮捕されました。

報道によると、事件が起きたのは2023年1月16日の午前2時ごろです。

容疑者は、一戸建て住宅の1階にあった鍵の掛かっていない窓から侵入し、現金2万円とワイヤレスイヤホンを盗んだ疑いが持たれていました。

深夜に練馬区内の一戸建て住宅を狙う手口から、捜査員の間で「練馬の忍師」と呼ばれていたと報じられています。

この事件は、忍師が特殊な道具だけを使って侵入するとは限らないことを示す例でもあります。

侵入に使われたと報じられたのは無施錠の窓であり、就寝前にすべての窓へ鍵を掛けることの重要性が分かります。

ただし、「練馬の忍師」は警察が公式に付けた犯罪分類ではなく、報道によれば捜査員が容疑者をそう呼んでいたという位置づけです。

寺を狙ったと報じられたノビ師

2024年10月には、東京都八王子市の寺へ侵入し、現金約440万円を盗んだ疑いで、当時39歳と報じられた男性が逮捕されました。

報道では、住人が寝ている時間帯に寺へ忍び込む手口から、「いわゆるノビ師」と紹介されています。

容疑者は、寺の鍵が掛かっていない窓から侵入した疑いが持たれていました。

警察は、全国の寺で発生した同様の被害との関連も調べており、被害額が合計約1億円に上る可能性があると報じられています。

ただし、約1億円という数字は、逮捕された容疑者による被害としてすべて確定した金額ではなく、警察が関連を捜査していた段階の情報です。

忍師やノビ師が狙う場所は一般住宅だけとは限らず、夜間に人が寝泊まりする寺院なども対象になる可能性があります。

早朝に侵入した「暁のノビ師」

2024年12月には、東京都足立区の住宅へ早朝に侵入し、財布や現金を盗んだ疑いで逮捕された人物が、「暁のノビ師」と呼ばれていたと報じられました。

「暁」は夜明け前や明け方を意味する言葉で、早朝の住宅を狙う手口にちなんだ呼び方とみられます。

報道によると、容疑者は住宅へ侵入し、財布と現金6,000円を盗んだ疑いが持たれていました。

犯行中に住人から発見されたとも報じられており、忍込みでは住人との鉢合わせが起こり得ることが分かります。

なお、「暁のノビ師」という呼称について確認できたのは報道上の情報であり、警察の公式な犯罪分類や全国共通の用語ではありません。

忍師はテレビのために作られた言葉ではない

「練馬の忍師」「寺を狙うノビ師」「暁のノビ師」などの報道例から、忍師やノビ師という言葉が、番組のために新しく作られたものではないことが分かります。

また、古い警察実務資料では、建物へ忍び込む窃盗を表す「ノビ」「ノビコミ」という言葉が、少なくとも1924年には使われていたことが確認されています。

ただし、現在の警察庁の犯罪統計や法律で使われる正式な言葉は「忍込み」です。

忍師やノビ師は、一部の捜査関係者や犯罪報道で、忍込みを得意とする常習的・熟練した犯人を表す俗称として使われていると整理するのが適切でしょう。

まとめ|忍師とは就寝中の家へ忍び込む泥棒の俗称

今回は、『ホンマでっか!?TV』で紹介される忍師について、読み方や空き巣との違い、泥棒の中でもランクが上といわれる理由を調べました。

忍師は「のびし」と読み、住人が寝ている夜間に建物へ侵入する「忍込み」を得意とする泥棒への俗称です。

忍師が犯人を指す呼び方なのに対し、忍込みは警察の犯罪統計でも使われている犯行手口を指します。

  • 忍師は「のびし」と読む
  • 忍込みを得意とする犯人への俗称
  • 警察の正式な犯罪名や罪名ではない
  • 空き巣は留守中、忍込みは就寝中、居空きは在宅中の隙を狙う
  • 「ランクが上」は警察の公式分類ではない
  • 2025年の忍込み認知件数は全国で4,784件
  • 2024年の侵入方法は無締りが約63.0%と最多
  • 夏は窓や網戸を開けたまま寝ないことが重要
  • 不審な物音に気づいても確認や追跡をせず110番する
  • 職業泥棒約3,000人説は警察庁の公式統計ではない

忍師という言葉から、特殊な技術で家へ入り込む熟練犯を想像するかもしれません。

しかし、実際の忍込みでは、鍵が掛かっていない窓や扉から侵入されるケースが多く確認されています。

まずは玄関や勝手口だけでなく、浴室、トイレ、ベランダ、2階を含むすべての窓を就寝前に確認しましょう。

そのうえで、補助錠や窓用防犯アラーム、センサーライト、防犯カメラなど、役割の異なる対策を重ねることが大切です。

家の中に侵入者がいる可能性を感じた場合は、金品を守ろうとしたり、自分で犯人を確認したりせず、家族と自分の安全を最優先にして110番してください。

スポンサーリンク
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次